技能実習から特定技能へ移行するには?

技能実習生の日本滞在期間は最長5年。すでに技能実習生を雇用している企業の中には「育成した外国人労働者を特定技能に移行させて、自社でさらに長く働き続けて欲しい」と考えている担当者も多いのではないでしょうか。 ここでは、技能実習から特定技能への移行で必要な要件や手続き、一定の要件を備えた場合に適用される特例措置などについて解説します。


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技能実習生は特定技能へ移行できる?

特定技能の在留資格が創設されたことにより、就労ビザのスタンダードは技能実習から特定技能に移行しつつあります。

一般的に、特定技能1号を取得するためには、日本語試験と各業界が実施する特定技能試験に合格し、即戦力としての能力があることが証明されなければなりません。

しかし、すでに技能実習制度を利用して日本で技能実習を受けている人のうち、「技能実習2号」を修了している外国人は試験等を免除のうえ、特定技能1号に移行することが可能です。

技能実習制度には、1号技能実習と2号技能実習、3号技能実習の3つの区分があります。1号は技能実習1年目に、2号が2・3年目、3号が4・5年目に相当します。

1号から2号、2号から3号に資格を変更する場合は、その都度「技能評価試験」を受けて合格しなければなりません。

技能実習から特定技能1号へ資格変更を希望する場合、技能実習の3区分のうち、2号以上の資格を持っている必要があるのです。

また、特定技能にも、1号と2号の区分があります。1号は一般的な技能を、2号は熟練した技能を証明する資格です。

特定技能1号から2号への資格変更を目指す場合、業界が定めた試験に合格する必要があります。2019年8月25日現在、特定技能2号が認められている業種は「建設業」と「造船・船用工業」の2業種のみです。

在留期間については、技能実習で最長5年、特定技能1号で通算5年、合計で最長10年日本に滞在することができます。

さらに、特定技能2号に移行することで、滞在可能期間は更新制になるため、実質無期限になります。

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特定技能へ移行するときの特例措置

技能実習から特定技能への資格変更を行う場合、一部の実習生については、特例措置が適用されます。

以下では、特例措置が適用される場合について詳しく解説します。

特例措置について

技能実習には最長5年という日本滞在期間の期限が設けられています。しかし、特定技能1号への資格変更手続きには時間がかかります。

そこで、その間に滞在期間の期限を迎えてしまう技能実習生については特例措置により、就労可能な在留資格「特定活動(就労可)」に移行させて、滞在期間を延ばすことができるようになりました。

特定活動の在留資格により得られる在留期間は4カ月です(原則として更新は不可)。技能実習から特定技能1号への資格変更を希望する人は、この期間の間に手続きを完了させなければなりません。

特例措置を受けるための要件

特例措置の対象者となるのは、次のような人です。

・これまでと同じ事業者で引き続き働くために、技能実習から特定技能1号に資格変更を予定している
・事業者との雇用契約では、今まで通りの業務に就く旨が記載されている
・技能実習2号の資格で1年10カ月以上在留しており、習得した技能が特定技能1号で定められた職種の技能試験、日本語試験の合格免除に対応している
・「技能実習2号」で在留した経歴があり、「技能実習2号」「技能実習3号」「特定活動」(外国人建設就労者又は造船就労者として活動)のいずれかにより在留中の外国人で、2019年9月末までに在留期間の期日を迎える

また、対象者の要件の他に、受け入れ機関にも一定の要件が課せられています。
・従来と変わらないか、それ以上の報酬を支払うこと
・特定技能外国人の受け入れ体制準備に時間がかかる
・労働や社会保険、租税に関する法令を守っている
・法人に前科や不正行為などの欠格事由がない
・外国人が理解できる言語での支援ができる(登録支援機関に委託可)

外国人労働者が特例措置を受けるためには、本人と受け入れ機関(企業)の双方が定められた要件をクリアする必要があります。

このように、特例措置の狙いは、企業が実習生の外国人を引き続き雇用するために、特定技能資格者受け入れ体制の整備に必要な時間的猶予を作ることであることがわかります。

特例措置を申請するには

特例措置の申請手続きは、各地の地方入国管理局にて行います。必要な書類は、次の通りです。

・在留資格変更許可申請書
・受け入れ機関(企業)の誓約書
・技能実習時点での雇用に関わる契約書類
・過去1年分の申請人に関わる賃金台帳の写し
・受け入れ機関(企業)が作る「特定技能1号資格変更に時間がかかる理由書」
・本人が特定技能1号で就労する業種において技能試験・日本語試験を免除できるほどの技能を持っていることを証明する資料

特例措置の注意事項

ここでは、特例措置に関わる注意事項について2つ解説します。

1つが、在留期間の算定に関わる注意事項です。特定活動の資格を付与され、特定技能1号への資格変更を待っている間の期間は、特定技能1号で日本滞在が許可されている通算5年の中に含まれます。

もう1つが、特例措置の決定が出るまでに在留期限を迎える場合の注意事項です。特定活動の資格取得中、もしくは特定活動の資格申請中に期限を迎えるケースでは、審査結果が出るまでは日本滞在を継続することができます。

しかし、この間は就労ができない点には注意してください。

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特定技能の移行についてお困りの方はイマジンプラスへ

資格の移行では、技能実習生本人だけでなく、事業者にも移行にともなう準備が求められます。
これらを企業単独で行うのは困難です。そのため、すでに働いている外国人従業員を技能実習から特定技能へ移行させたいと考えている企業は、専門機関に相談してみましょう。

イマジンプラスは、総合人材サービスを展開する企業として、2019年特定技能制度の登録支援機関にも認定されました。

外国人材の雇用や採用に関するノウハウがございますので、人材不足や外国人採用にお困りの企業担当者の方はお問い合わせください。

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まとめ

特定技能は、技能実習からの資格移行も見込んで制度設計されています。そのため、技能実習2号以上の資格保有者は、試験免除のうえ、特定技能に変更可能です。

また、「すでに雇用している技能実習生を、特定技能資格に移行させたいが受け入れ準備を行う時間がない」という事業者のために、時間的猶予を作る特例措置も用意されています。

技能実習から特定技能への移行では、外国人本人だけでなく、事業者も受け入れ環境の整備等多くの準備が必要です。限られた時間の中で準備が思うように進まない場合は、専門機関の力を借りることも検討しましょう。