外国人を採用するときの雇用保険の加入について知っておきたいこと

交通機関の発達やインターネットの普及により、ビジネスのグローバル化は急激に加速。世界のビジネスのボーダレス化も進んでいます。 少子高齢化が深刻な問題となっている日本においては、若い日本国籍の労働者の数は減少するばかり。若くて優秀な人材の確保が非常に困難な局面を迎えています。 そのような背景を踏まえ、日本は、会社の経営や業務を円滑にし、さらなる日本社会の発展を求めて、外国人労働者のマンパワーに頼らなければならない状況になっています。 外国人労働者を採用する際に注意しておくべきポイントや、雇用保険、外国人入社・退社時の手続き等をしっかり押さえて、優秀な即戦力となる外国人労働者を法律のもとに正しく採用しましょう。


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外国人を採用する場合、雇用保険はどうなる?

事業主は外国人の採用をする際に、その外国人の雇用状況をハローワークに届け出る義務があります。

これは、平成19年10月1日に施行された雇用対策法に基づいたもので、主に以下のことを目的とするものです。

・外国人への雇用環境や改善

・事業主の方への助言や指導

・外国人が再就職する際の支援

事業主は、対象となる外国人の氏名、在留資格、在留期間、その他厚生労働省令で定める事項について確認し、その内容をハローワークに届け出なければいけません。

事業主が届け出をする必要がある外国人採用の対象者は、日本国籍を有しない人で、「外交」「公用」といった在留資格を有しない人。

「特別永住者」に対しては、届出は必要ありません。

対象となる外国人が雇用保険の被保険者となるケースと、雇用保険の被保険者でないケースでは、届出の用紙や届出先、届出期限などが異なります。

また、届出を怠った場合は、30万円以下の罰金となりますので注意が必要です。

雇用保険被保険者資格取得届

雇用保険の被保険者となる外国人のケースは「雇用保険被保険者資格取得届」という届出を提出します。

【届出事項】

①  氏名②在留資格 ③在留期間④生年月日⑤性別 ⑥国籍・地域 ⑦資格外活動許可の有無⑧雇入れに係る事業所の名称および所在地⑨賃金その他の雇用状況に関する事項⑩住所⑪離職に係る事業所の名称および所在地

【届出方法】

雇用保険被保険者資格取得(喪失)届の「18.備考欄」に以下を記載することで、外国人雇用状況も届け出ることができます。②在留資格③在留期間⑥国籍・地域⑦資格外活動許可の有無

【届出先】

雇用保険の適用を受けている事業所を管轄するハローワーク。

【届出期限】

雇入れの場合は翌月10日まで。 離職の場合は翌日から起算して10日以内。

外国人雇用状況届出書(様式第3号)

雇用保険の被保険者でない外国人のケースは「外国人雇用状況届出書(様式第3号)」という届出を提出します。

【届出事項】

①氏名 ②在留資格 ③在留期間 ④生年月日⑤性別 ⑥国籍・地域

⑦資格外活動許可の有無

【届出方法】

外国人雇用状況届出書(様式第3号)に、上記①~⑦の届出事項を記載して届出る。

【届出先】

当該外国人が勤務する事業所施設(店舗、工場など)の住所を管轄するハローワーク。

【届出期限】

雇入れ、離職の場合ともに翌月の末日まで。

[引用]外国人雇用はルールを守って適正に

届出の用紙に必要な事項の確認方法

外国人採用する際に提出義務のある届出に記入する事項の確認は、外国人労働者のパスポートまたは外国人登録証明書などを元に行います。対象者にいずれかの提示を求め、氏名、生年月日、性別、国籍等を確認。

氏名などは通称ではなく、本名をきちんと記載すること。また、在留資格や在留期間をしっかり確認し、不法就労とならないように注意しましょう。

なお、在留資格が「特定活動」の場合は、「資格外活動許可書」あるいはパスポートの「資格外活動許可証印」を確認。活動類型、許可の期限、許可されている活動の内容を届出用紙の在留資格記載欄に記載しましょう。

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外国人が雇用保険に加入する際の注意点

雇い主として雇用をする際、知っておくべきこと・注意点を以下でお伝えします。

労働関係法令(労働基準法や健康保険法)・社会保険関係法令は、国籍を問わず日本国内で働く労働者に適応されます。

雇用保険加入手続きをするための「雇用保険被保険者資格取得届」は、事業主が提出します。

雇用保険の被保険者となる適応要件は以下のとおり。

・1週間の所定労働時間が20時間以上であること

・31日以上の雇用見込みがあること

しかし、外国人採用する際の雇用保険の加入手続きにはいくつか注意点があります。

まず、事業主の注意点の一つは、対象となる外国人の「在留資格」を確認すること。不法在留者を雇うことは「不法就労」をしていることとなり、法律違反となります。当然、雇用保険へ加入することはできません。

不法入国している外国人はもちろんですが、在留期間が過ぎた状態で日本に滞在している外国人なども、これに相当します。

次の注意点は「就労資格」の確認。就労資格のない外国人採用も「不法就労」です。就労資格のない外国人を誤って採用しないためにも、パスポートあるいは外国人登録証明書をしっかり確認し、就労資格の有無を確認しなければいけません。

このような在留資格・就労資格がない外国人を雇用している場合、会社側が責任を問われることも。「不法就労」と認識のもとに外国人を雇用した場合、「3年以下の懲役、若しくは300万円以下の罰金」という刑事罰が科されることもあります。

採用を検討している、あるいは、すでに雇用している外国人が「不法就労」であることを発見した場合は、ただちに対処することも重要です。

採用手続きの段階の場合は、「不採用」を理由とともに通知。すでに雇用している場合は「出勤停止命令」措置をとり、「在留資格」再取得手続きをサポートするなどして、「不法就労」を防ぎましょう。

なお、留学生や家族の駐在などで日本に暮らしている場合も就労は違法となります。この場合、資格外活動許可の申請をする等で、不法就労を防ぐことができます。

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外国人が退職した後の雇用保険の手続き

外国人に限らず、事業主は従業員が退職した際には「雇用保険被保険者資格喪失届」と「雇用保険被保険者離職証明書」をハローワークに提出しなければなりません。この提出により、ハローワークは「離職票」を発行します。

外国人労働者の失業保険の受給資格の決定

失業保険の受給手続きもハローワークで行われます。失業保険を受給する本人が以下の書類を持参し、手続きを行います。

・離職票

・雇用保険被保険者証

・在留カード

・証明写真2枚・印鑑

原則として、雇用保険に12カ月以上加入していれば、失業保険を受給する資格が得られます。

失業の認定

必要書類等を提出し、要件に該当すれば、失業の認定7日後に給付金を受給できるようになります。

ただし、自分の都合や懲戒解雇によって退職・離職の場合は、失業認定後3カ月間は給付制限期間となり、その間の受給は猶予されます。

さらに、求職活動を行っているか否かを、ハローワークに確認され、「積極的に求職しているのに、職に就くことができない失業者」として認定されなければいけません。

退職理由、退職時の年齢、勤務年数により給付日数も左右されます。

雇用保険制度をあまり熟知していない外国人労働者は、失業した途端に失業給付が支給されると考えている人が少なくありません。このような内容を外国人採用者に退職時に伝えると良いでしょう。

退職時における手続きにも、多少なりとも労力が必要となります。なかなか、人材が定着しないことにお悩みであれば、即戦力となるバイリンガルの外国人採用も検討にいれられてはいかがでしょうか?

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まとめ

外国人労働者を雇用するためには、「在留資格」などを考慮する必要があります。「在留資格」を有していても「就労ビザ」がないケースもあります。

パスポートや外国人登録証明書などを元に、対象者の氏名、生年月日、性別、国籍等だけでなく、「在留資格」ならびに「就労資格」もしっかりと確認をするようにしましょう。

雇用する際には、状況に応じて「雇用保険被保険者資格取得届」あるいは「外国人雇用状況届出書(様式第3号)」をハローワークへ提出。雇用保険の加入も義務付けられています。

法律を踏まえて外国人労働者の採用における注意点をしっかりと学んだうえで、高いスキルを持つ即戦力となる人材を採用しましょう。