優秀な中国人材を日本企業が採用する“メリット”と“注意点”

日本では少子高齢化に伴い、労働人口が減少しています。深刻な人手不足に悩む企業が増え、このまま何の対策もせずに国内で人手不足を解消することは、ほぼ不可能といえるでしょう。 一方で、日本における外国人労働者数はここ数年、増え続けています。 韓国や東南アジアからの外国人労働者も増えていますが、その中で多数を占めているのは、中国人です。優秀な中国人材を採用することで人手不足を解消したい、企業戦略の一環として活かせる人材に育てたい、と考える日本企業は大手を中心に増加傾向にあります。 中国人留学生側も、できるだけ将来性のある日本企業で働きたいと考えているのです。


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日本企業における外国人雇用の背景

現在日本には、外国人材を雇用している事業所が約19万4595カ所あります。外国人労働者が多いのは、国内では東京・神奈川・大阪などの都市部や、愛知や静岡です。職種は、製造業・小売業・宿泊サービス業など多岐に渡っています。

外国人労働者は2017年10月末に約128万人に達しています。2008年の外国人労働者数は約486万人だったといわれていますので、わずか9年で約2.6倍も増加していることになります。

その中で、最も数が多いのは中国人です。日本における外国人労働人口のうち、実に3割を占めています。中国人は向上心が強く仕事熱心な傾向があります。漢字文化を共有しているアジア人同士、お互いに親しみを感じることができる点も、利点ではないでしょうか。

[参照] 厚生労働省:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(平成29年10月末現在)

外国人を積極的に雇用する理由

中国人材を積極的に雇用したい日本企業が増えています。その理由の背景は、もちろん少子高齢化に伴う人手不足であり、労働人口の減少への対策は早急に行われなければなりません。

しかし、そこにはもうひとつの理由があります。企業側に優秀な人材を確保したいという企業戦略があるためです。実際に、優秀な中国人を採用したところ、業務上のプラスになったという声が多く聞かれ、会社の成長への期待となっているケースが見られます。

中国人を採用する際には、社内に中国語を話せるスタッフを配属したり、日本人同士でだけ通用する「暗黙の了解」のようなルールは排除したりして、受け入れ体制を整える必要があります。

そして、そのような企業努力を上回るだけのメリットを生む可能性が高いのが、優秀な中国人材の積極的採用なのです。中国への進出を計画している企業であれば、現地とのやりとりをサポートしてくれる中国人は即戦力となり、期待できる人材となるでしょう。

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中国人や外国人留学生を採用するメリットについて

とはいえ、外国人労働者に対して、警戒心を抱く経営者もまだまだ多いです。実際に、「採用はしたけれどすぐに辞めてしまった」とか、「日本語の理解力に問題があり、仕事に支障が出て困った」という声も多少ならず聞こえてきます。

深刻な人出不足に悩む日本の企業ですが、単なる労働力として大量の外国人を採用したい、とは考えていないようです。可能であれば諸条件を整えた上で、優秀な中国人材を積極的に採用したいと考えています。企業にとってプラスになる人材であればこそ、ぜひ、来てもらいたいというのが本音なのです。

新卒採用を実施している全企業における新卒採用の状況調査があります。調査によれば、2017年卒の外国人材を採用した企業は20%前後ありました。外国人留学生の採用は注目を集めている、といえるでしょう。

最大のメリットは優秀な人材を確保できること

中国人留学生を採用する最大のメリットは、学ぶ意欲の高い優秀な人材を確保できることです。特に理数系大学生の場合、有利な採用が見込めます。

日本人と比べてプログラムを書いたりする上でも優秀な中国人が多く、即戦力となるでしょう。

また、日本のビジネススタイルを学びたいと考えている優秀な中国人もたくさんいます。

企業アンケートによれば、外国人留学生は優秀で、活躍は十分だと感じられるという回答が4割を占めています。

中国人就学生の採用に満足し、期待通りの成果を上げていると考える企業が多いといえるでしょう。

企業に多様性をもたらせる

企業に良い影響を与えるためには、今までにはない価値観を持つ人材が必要です。同じ国籍で、同じような環境で生まれ育った人がいる職場は、どうしても考え方や感性が画一的になります。

しかし、グローバル化が進展する現代社会で、企業は新しいアイデアや今までにないサービスを創出しなければなりません。斬新な考え方ができる、もしくは柔軟な発想ができる人材が必要なのです。

そこで期待できるのが外国人人材です。ビジネスや仕事のやり方に対して、日本人にはない価値観を持っています。今まで社内では生まれなかったようなアイデアが、事業の発展につながる可能性があります。

特に中国人人材は重宝します。なぜなら、中国をはじめとするアジア市場が伸びているからです。中国のマーケットを狙っている企業も少なくないでしょう。

そんな企業にとって中国人人材は、マーケティングに期待ができます。中国人のインバウンド消費や、中国国内のメイドインジャパン製品へのニーズは加速しています。このようなニーズに対応するためには、中国人ならではの発想が助けとなります。

中国人の消費傾向や趣味嗜好、行動パターンを把握した人からの意見が役立つでしょう。今こそ企業に多用性が求められているのです。

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外国人人材を定着させることは難しい?

外国人人材を採用できても、文化や習慣の違いから離職につながるリスクがあります。はたして日本独自の労働環境において、外国人人材を定着させることはできるのでしょうか。

問題となりうる点を取り上げます。

日本の年功序列が外国人のキャリアアップの壁に

海外では、一定の成果を上げれば、年齢や経験に関係なく昇給・昇格することができます。能力がある人材なら若い世代でも出世して、成功することが可能です。

しかし、日本企業の多くでは、年功序列が一般的です。どれほど能力や実力があっても、昇格する順番は入社した年月によって決まります。実績を重視する外国人にとっては、昇格スピードが遅いと感じられてしまうでしょう。

また年功序列によって、満足できる収入・報酬が設定されない可能性もありえます。日本企業の多くは、年数を重ねるごとに給与が上がっていくシステムを採用しています。

労働者がどれだけ会社に売上・利益を貢献していても、給与として評価されないのであれば外国人のモチベーションアップにはつながりません。ただ仕事への意欲を損なわせるだけではなく、個人の能力が評価されていないと思われてしまう可能性も否めません。

昇給昇格制度が整備されていないと、転職されてしまう恐れもあるでしょう。優秀な外国人人材を採用できたとしても、年功序列のせいで貴重な人材を失ってしまいます。

それだけキャリアアップの考え方に違いがあることは理解しておくべきです。

日本人と中国人の働き方の違いにギャップが生じてしまう

中国人の多くは、仕事よりもプライベートを優先します。もし就業時間後にやるべき業務があったとしても、残業をすることはなく、家族や友人との予定を重視するでしょう。

しかし、日本ではプライベートよりも仕事を優先する傾向にあります。未完了の仕事が残っていれば、残業や休日出勤にも対応しなければなりません。家族との予定があっても、仕事の対応に時間を費やす人も少なくないでしょう。

これは多くの中国人にとって、受け入れがたい考え方なのではないでしょうか。もし残業がある企業なら、入社をする前にきちんと伝えておきましょう。

さらに理解しておくべきは、働き方の違いです。日本では、同じチームや部署のメンバーで力を合わせ、チームプレーで働くことが多いです。チームで協力し合うことは、仕事の達成感ややりがいにつながります。

しかし、中国において仕事は個人プレーでするものだという認識が色濃くあります。チームで動くのではなく、個人で成果を残すことが評価につながる企業風土だからです。チーム連携が求められる企業では、その旨をしっかりと伝えておく必要があるでしょう。

企業としてはチームだけではなく、個人の実力を評価する指標があれば、中国人にとって働きやすい環境となります。

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優秀な外国人を採用するために企業で気を付ける点

中国人は自意識が高いため、自分をアピールする際に誇張する傾向にあるので「日本語を流暢に話すから」などの理由で簡単に信用してしまうと、後でトラブルの元となる可能性があります。

このような失敗事例やノウハウをもとにしながら、優秀な中国人材の雇用をお考えの企業様は、人材派遣会社のイマジンプラスへ一度ご相談をご検討ください。就労からサポートまでを一括してお受けいたします。

面接時に確認すべきこと3点

・履歴書と事実に矛盾がないか

中国人が提出する履歴書や職務経歴書、本人が面接時に話す内容を確認してください。履歴書の内容に、事実と異なる矛盾点が含まれている可能性は否めません。

面接では本人の言っていることもメモしておきましょう。本当に履歴書に書かれている通りなのか、発言内容は正しいのか、はっきりするまで確認をとる必要があります。

中国人は日本人よりも事実を誇張する傾向があります。中国には謙遜の文化がありませんので、自分の優秀さをアピールするために事実を誇張することを、彼らは悪気なく行っている可能性も高いのです。

疑うことが“失礼”にあたるとはここは考えずに、事実がどうなのかを納得いくまで確認しましょう。はじめに手を抜いてしまうと、後々のトラブルのもととなってしまいます。

・雇用形態や給与について理解・認識しているか

中国人を採用する際は、雇用形態や給与について、最初に明確にしておく必要があります。

勤務時間や金額も含めて彼らが納得するまで詳細に内容を示しましょう。

面接時に、雇用形態がはっきりしないまま、給与額も定められていないままの採用となると、採用後に大きな問題が起きてしまいます。

特に給与面については、本人と会社との間で認識がずれていたなどで、本人がもらえる金額を思い込んでいた場合、そうではないとわかるとすぐに辞めてしまうこともあります。中国を含むアジア圏では、日本ほど定年志向が強くはなく「一度採用されたら何年も務めるのが当然」と考えている人は少ないのです。

優秀な中国人材に長く働いてもらいたいと考えるなら、雇用形態や給与などの条件については、きちんと理解・認識してもらえるよう注意しましょう。

・日本の文化やビジネスマナーを理解しているかどうか

日本への滞在期間にもよりますが、日本の文化やビジネスマナーまで理解している中国人はそれほど多くはないと考えてください。例え、日本語が堪能で優秀な中国人であっても、そこに過大な期待をしていると思わぬトラブルのもととなります。

日本の文化やビジネスマナーへの理解度は、面接時に確かめることができるでしょう。採用後の仕事内容にもよりますが、もし日本の文化やビジネスマナーが不可欠な職種であれば、採用を見送る必要も出てくるかもしれません。

逆に、日本の文化やビジネスマナーにこだわらなくても成り立つ業務であれば、優秀な中国人を採用することを優先するケースも考えられるでしょう。その際は、中国人が配属となる部署の中で受け入れ態勢の工夫をするなど、お互いの歩み寄りが必要になります。

日本で働きたい中国人の中には、日本のビシネススタイルを学びたい人も少なくありません。双方で円滑な文化交流を図りながら、仕事に活かせることが理想ですね。

中国人と働く際のポイント

中国人を採用すれば、それで完了ではありません。中長期的なスパンで、一緒に働くうえで心がけるポイントが2つあります。

1つ目は、マンツーマンでの指導を心がけることです。その場ですぐに言いたいこと、指摘をしたいことがあったとしても、誰かがいる場であれば避けましょう。多くの中国人は、人前で自身を批判されることをあまり好みません。

特に気をつけるべきは、叱る場合や忠告をする場合です。

朝礼やミーティングなど、複数人がいる場所で、もし名指しで指摘をすれば、傷つけるどころか上司としての信頼も失ってしまうでしょう。まわりの同僚や部下に、自分の失敗や至らないことを聞かれること・批判されることは致命傷です。場合によっては、退職につながる危険性もあります。

もし言いたいことがある場合は、誰もいない個室に呼ぶか、もしくはランチに誘って伝えてみましょう。

一方で、褒める場合や評価をする場合は、積極的にグループの前で行ってみることです。今まで以上にモチベーションが向上しやすくなります。具体的に評価すればするほど良いでしょう。

それだけ中国人の多くが、周囲からの評価を大切にしているということです。自尊心を保つことができれば、今まで以上に、会社やチームに貢献してくれるという期待につながります。

マンツーマンの指導以外には、キャリアアップの道筋を示すことが大切です。どのような成果を残せば、どれだけの昇給・昇格ができるのか、明確であればあるほど喜ばれるでしょう。

日本企業では、評価基準をあいまいに、もしくは内密にしているケースもありますが、中国人の多くは能力を活かすことを大切にしています。誰にとってもわかりやすく、実力が反映されやすい公平な基準を設けましょう。

評価基準において少しでも不明な点や、納得できないような点があれば、中国人に共感されないでしょう。これも離職されるリスクにつながります。昇進・昇格・給与などで不透明な項目は一掃して、新しい環境で中国人人材を迎い入れましょう。

もし社内で活躍をした中国人人材がいて、評価につながらない場合は、面談の場でその理由を伝えなければなりません。誰が、なぜ評価されたのかという根拠が、企業には求められます。

企業が尽力をして手に入れた、大切な中国人人材です。中長期的にしっかりと活躍をしてもらうためにも、一緒に働き続けるための工夫が求められるでしょう。

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まとめ

深刻な人手不足に悩まされる日本の企業が増える一方で、外国人労働者も増え続けています。彼ら外国人労働者の割合のうち、実に3割を中国人が占めています。

日本の企業は、中国人を単なる労働力として迎えたいのではなく、企業発展のためにできるだけ優秀な中国人材を積極的に採用したいと考えています。個人差はあるものの、中国人の性格や特徴をよく理解した上で面接を行いましょう。

優秀な中国人を見極めるための注意点に気を配りながら、より良い採用を実現するようにしましょう。