外国人研修生を受け入るために知っておくべき“外国人技能実習制度”

日本企業が外国人研修生を受け入れ、研修生・実習生として一定期間日本で働いてもらう制度があります。今日本に多い中国人に限らず条件に見合う外国人すべてが対象となる公的制度で、この制度は「外国人技能実習制度」と呼ばれています。 語学の堪能さから、中国人材の雇用を積極的に進める日本企業が増えていますが、日本で働くきっかけをつくることができるという点で中国人側にもメリットがある制度です。 制度を通じて、日本で得たノウハウを母国に還元することができます。しかし、この制度の主導はあくまでも日本企業です。外国人研修生を受け入れるためにはどうすればよいか、何を知っておくべきかといった点を理解し、外国人技能実習制度の有効活用を目指しましょう。


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外国人技能実習制度とは


「外国人技能実習制度」の趣旨・本質は国際協調の推進にあり、目的は外国人材の育成にあります。育成した外国人材が日本で培われた技能・技術、学んだ知識を自国に還元することで国際協調がはかられるというコンセプトに基づいた公的制度です。

入国した外国人(中国人を含む)は、「研修生」として受け入れ先企業と雇用契約を結びます。この時点で労使の関係が発生します。労使関係においては、外国人・中国人研修生も原則日本人社員と同じ立場となります。

雇用契約を結んだ外国人・中国人は、実践で必要な能力を研修生として最短1年間、技能実習生として最長2年間、トータルで3年間にわたり習得します。ここで1つ、用語に関する注意があります。「研修生」と「実習生」の違いです。

研修生は、入管法令を満たす同一作業の単純反復ではない作業を行う者を指し、該当する在留資格はあくまでも研修にとどまります。

これに対し技能実習生は、技能検定などの対象となる63業種116作業に携わることができます。実習生に該当する在留資格は、特定の技能が必要と認められる特定活動です。研修生と実習生は、さまざまな場面で詳細に区別されます。

[参照]外国人技能実習生受け入れの協同組合フォワード:研修生と技能実習生の比較・違いについて

研修生として入国したあと1年後に技能検定を受検し、技能実習生として最長2年間日本の企業で働くための資格を取得することができます。

技能実習生受け入れまでの流れ

中国人材の受け入れを、どういう流れで行うのか。中国人研修生の受け入れを希望する企業にとって最も重要な部分です。中国人研修生の受け入れを希望したからといって、すぐに中国人研修生を受け入れることができるわけではありません。

受け入れまでの大まかな流れは、以下の通りになります。まずは、実習実施機関である企業が、組合・監査団体に対し受け入れ希望求人申し込みを行います。実際には、約96%の企業が組合などに加入して組合単位で研修生を受け入れることになります。そうでない企業は、企業単位で研修生を受け入れることになります。

単独で受け入れるか組合で受け入れるかの決定後(組合の場合、諸手続きを含め約1カ月を要する)、書類選考、現地(母国)選考会、雇用契約、現地での入国前教育実施が一連の流れです。この間を約1カ月半を要します。

その後は、在留資格認定証明書申請、在留資格認定証明書交付、現地でビザ申請および取得、入国日決定後実習生保険加入手続き、技能実習生入国へと続きます。この間を約4カ月半要します。

さらにここから、組合の場合は組合による入国後の集合講習を1カ月実施します。そして、各企業に配属、実習開始という流れを踏むのが一般的です。

そのため、書類選考~実習の開始まで約7か月ほどかかることになります。

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研修・技能実習生の受け入れ方法


研修・技能実習生の受け入れ方法は、大きく分けて二通りあります。企業が独自に研修生を受け入れるタイプの企業単独型と、事業協同組合の団体や商工会議所などが受け入れ団体となって、企業で技能実習を行う団体管理型とに分かれます。

企業単独型とは

企業単独型は、研修生の受け入れを希望する日本の大手企業が、現地法人に出向し、現地の法人や合弁企業・取引先企業などの常勤職員を直接受け入れる方法です。研修生の受け入れを行う企業のうち、約3~4%が企業単独型の方法で受け入れを目指します。

団体管理型とは

団体管理型は、中小企業からの研修実施機会の拡大ニーズの要望に応えるため、平成2年8月に導入されたものです。

外国人技能実習制度は、公的制度です。したがって、技能実習生を受け入れて取りまとめを行う団体は、利潤を目標とする株式会社ではなく非営利管理団体に限ります。

団体管理型では、事業協同組合などの中小企業団体や商工会議所などが外国人実習生の受け入れ先となり、主に中小企業や零細企業において実務研修などを実施します。

現在では、技能実習移行者の95.4%が団体管理型による受け入れとなっています。そのうち、事業協同組合等による受入れが約8割を占めます。

[参照]厚生労働省資料:企業単独型と団体監理型の比較

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中国人研修生を実習生として受け入れるには


中国人研修生を実習生として受け入れるにあたり、まずは、受け入れ可能な職種について知っておく必要があります。さらに、企業規模によって受け入れ人員数に上限が設けられていることにも注意が必要です。

このような専門的なことは、複雑な手続きなども必要となってきます。中国人研修生や外国人材の雇用をお考えの際は、人材派遣会社のイマジンプラスをご活用ください。外国人雇用に関するご相談もお受けいたします。

受け入れ可能な職種

外国人技能実習制度を利用したとしても、すべての職種に受け入れ枠が設けられているわけではありません。外国人技能実習制度で外国人実習生を受け入れることができる分野・職種は下記「7分野における各職種」と「規則別表第二第八号の法務大臣及び厚生労働大臣が告示で定める職種及び作業」です。

(1) 農業関係(2職種6作業)

1.耕種農業・2.畜産農業

(2) 漁業関係(2職種9作業)

1.漁船漁業・2.養殖業

(3) 建設関係(22職種33作業)

1.さく井・2.建築板金・3.冷凍空気調和機器施工・4.建具製作・5.建築大工・6.型枠施工・7.鉄筋施工・8.とび・9.石材施工・10.タイル張り・11.かわらぶき・12.左官・13.配管・14.熱絶縁施工・15.内装仕上げ施工・16.サッシ施工・17.防水施工・18.コンクリート圧送施工・19.ウェルポイント施工・20.表装・21.建設機械施工・22.築炉

(4) 食品製造関係(9職種14作業)

1. 缶詰巻締・2. 食鳥処理加工業・3.加熱性水産加工食品製造業・4.非加熱性水産加工食品製造業・5.水産練り製品製造・6.牛豚食肉処理加工業・7.ハム・ソーセージ・ベーコン製造・8.パン製造・9.そう菜製造業

(5) 繊維・衣服関係(13職種22作業)

1.紡績運転・2.織布運転・3.染色・4.ニット製品製造・5.たて編ニット生地製造 ・6.婦人子供服製造・7.紳士服製造・8.下着類製造・9.寝具製作・10.カーペット製造・11.帆布製品製造・12.布はく縫製・13.座席シート縫製

(6) 機械・金属関係(15職種29作業)

1.鋳造・2.鍛造・3.ダイカスト・4.機械加工・5.金属プレス加工・6.鉄工・7.工場板金・8.めっき・9.アルミニウム陽極酸化処理・10.仕上げ・11.機械検査・12.機械保全・13.電子機器組立て・14.電気機器組立て・15.プリント配線板製造

(7) その他(13職種25作業)

1.家具製作・2.印刷・3.製本・4.プラスチック成形・5.強化プラスチック成型・6.塗装・7.溶接・8.工業包装・9.紙器/段ボール箱製造・10.陶磁器工業製品製造 ・11.自動車整備・12.ビルクリーニング・13介護

※規則別表第二第八号の法務大臣及び厚生労働大臣が告示で定める職種及び作業(1職種1作業)

空港グランドハンドリング

[参照][参照]厚生労働省:外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(技能実習法)について

[参照] 厚生労働省:別紙4移 行 対 象 職 種 ・ 作 業 の 一 覧:平成29年12月6日時点・77職種139作業

受け入れ可能な人数枠

研修生の受け入れ可能人数枠は、受け入れる企業側の規模(就業人員数)によって異なります。

受け入れ企業の常勤職員数 1年間で受け入れ可能な技能実習生の人数
301人以上 常勤職員の20分の1
201人以上300人以下 15人以内
101人以上200人以下 10人以内
51人以上100人以下 6人以内
50人以下 3人以内

(技能実習生の受け入れ人数枠 厚生労働省・「新たな外国人技能実習制度について」資料より)

受け入れのメリット

中国人研修生を受け入れるメリットは、大きく分けて4つ考えられます。受け入れのメリットについてまとめると以下の通りです。

(1)業務の安定化:技能演習を受けた、中国人の労働力による人手不足の解消が業務を安定化させる

(2)企業の国際化・活性化:中国人・中国企業とのパイプを形成し、既存の日本人社員に刺激を与えることができる

(3)若い活力の獲得:企業にとって若さや活力は、企業の成長に不可欠で、若い中国人の労働力は企業を成長させる可能性を秘めている

(4)海外進出への視野が広がる:日本企業のノウハウを自国へ還元することで、日本企業と諸外国と協力体制が強化される

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まとめ

一見すると、非常に複雑そうに見える外国人技能実習制度ですが、企業にとっても外国人材にとっても多くのメリットを生みだす可能性がある制度です。

受け入れ方法には企業単独型と団体管理型があり、どちらが向いているかは各企業によって異なるため、受け入れる前には専門家に相談されることをおすすめします。